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禁煙を始めましょう
禁煙すると、自分や周囲の人の健康に良い、火災ややけどなどの事故の危険が減る、たばこに使っていた時間や費用が節約できる、ストレス軽減など様々なメリットがあります。
しかし、禁煙を始めると、それまで喫煙で体内に入っていた「ニコチン」が補給されなくなり、イライラ、落ち着かない感じ、頭痛など様々な症状を引き起こします。これらは「ニコチン依存症」による症状で、禁煙後、3日~7日程度が最もつらい時期といわれます。この時期を乗り越えられずに再び喫煙を始める人も少なくありません。
禁煙に成功した人でも、過去に平均すると3~4回の禁煙をあきらめた経験があるとの調査報告もあります。
医療機関での「禁煙外来」や、薬局などで市販されているニコチンガム、ニコチンパッチなどを利用することで、禁煙は一層成功しやすくなります。過去に、自力での禁煙が難しかった人はぜひそのような方法も活用しましょう。
保健センターでも禁煙についての相談に応じています。
健康相談・健康教育(内部リンク)
※禁煙外来で処方される内服薬(バレニクレン)は2021年6月以降、製造上の問題で製薬会社から出荷停止となり、禁煙外来での処方も一時停止となっています。
禁煙にも準備が必要です
喫煙は、たばこを吸って「ニコチン」を体内に補給し、「ニコチン欠乏」によって脳が感じるストレスを解消する行動です。また、長期間喫煙を続けるほど、その人の生活習慣に喫煙が組み込まれていくため、禁煙を始めるときには、ニコチン欠乏への対策だけでなく、禁煙前に、本人は意識せずごく自然に行っていた生活習慣も見直しが必要になることがあります。
禁煙を考えたら
自分の行動を見直しましょう。
1日の中で、どんな場面でたばこを吸っているのかを確認してください。できれば、2、3日記録をとってみるとよいでしょう。
禁煙を始める理由や目標を考えましょう
できるだけ、具体的にして紙や手帳などに記録しておくと、ふたたび吸いたくなった時に見返して、禁煙を続ける意欲を盛り上げます。
ニコチン切れを乗り越える手段を用意しておきましょう
口さみしい時にはあめやガムで紛らわす、コーヒータイムやお酒の席を避ける、朝起きたら顔を洗って体操をする、など、たばこを口にする代わりにできることを複数準備しておくと、乗り越えやすくなります。
始める時期を決める
ここまできたら、いつ始めるか、自分の心を決めるだけです。家族や職場の人に、禁煙することを宣言し、協力をお願いすることも有効です。
記念日型・・・元旦、誕生日、記念日など自分の大切な日からスタートする
思い切り型・・・今吸っている箱を吸いきったら終わりにするなど
いずれにしても、始める時期が決まったら、これまで使っていたライターや灰皿などの喫煙に関係するものは、安全に配慮して適切に処分しましょう。
禁煙を始めたら
吸いたくなったら切り替える
朝起きたらすぐに着替えて歯磨きをする、冷たい水を飲む、あめやガムを口にするなど。禁煙すると体重が増えやすくなるので、間食の増えすぎには注意しましょう。体操や散歩など体を動かす気分転換も効果的です。
吸いたくなる場面を避ける
喫煙コーナーや喫煙が可能な喫茶店、飲食店、お酒の席など、これまでたばこがセットになっていた場所や場面をしばらくは避けましょう。
禁煙した理由や目標を思い出す
禁煙を始める前に考えていた、禁煙する理由や目標を見返すと、再度禁煙を続ける意欲がわいてきます。
禁煙サポートグッズを利用する
ドラッグストアなどでは、ニコチンガム、ニコチンパッチなどニコチン切れの症状を緩和して禁煙を手助けするグッズが販売されています。薬剤師さんが禁煙サポートのアドバイスをしてくれるお店もあります。
また、スマートフォンやパソコンで、禁煙をサポートしてくれるさまざまなアプリやサイトもあります。
禁煙外来について
禁煙外来では、ニコチンの離脱症状(禁断症状)を軽減させる薬の処方が受けられ、呼気中のニコチン濃度の検査や、離脱症状を乗りこえるアドバイスも受けることができます。喫煙本数が多い、長年吸っているなどで条件が合えば健康保険が適用されるので、人によっては1か月のたばこ代より安い費用で、自力より楽に禁煙を達成することができます。(加熱式たばこもニコチンを含む「たばこ」のため、禁煙外来を利用できます)
以下の条件に当てはまる場合、健康保険で禁煙治療を受けられます
- 直ちに(おおむね1か月以内が目安)禁煙しようと考えている。
- (35歳以上の人のみ)喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上である
- 下記のチェックリスト(ニコチン依存症スクリーニングテスト)で「はい(1点)」が5個以上あてはまる
- 禁煙治療を受けることを文書で同意する
ニコチン依存症スクリーニングテスト [PDFファイル/83KB]
※以前に健康保険での禁煙治療を受けたことがある場合は、前回の初診日から1年以上経過していること
さらに、受診する医療機関についても、禁煙外来の実施医療機関として届出を行い、認可されていることが必要です。
禁煙治療サポート実施医療機関(大阪府ホームページ)<外部リンク>
禁煙の瞬間から始まる体の若返り
禁煙をはじめてしばらくはニコチン切れによる精神症状に悩まされますが、細かな体調の改善にも目を向けましょう。 離脱症状が一番辛い3日目ごろから、痰のからみが少なくなる、味覚が改善するなど、自覚できる禁煙前との体調の違いが少しずつ現れてきて、続けるほど心臓や呼吸器などの機能の改善やがんなどの疾患リスクの低減が見込まれます。
遅すぎる禁煙はありません。治療中の病気がある人も、治療効果を高め、回復を早めるなどの効果が期待できます。
自分と家族の幸せのため、たばこのない生活を始めましょう。